5割超がキャッシュレス移行済み?決済手段の利用実態と現金の意外な必要性が判明

働き方やライフスタイルが多様化する現代社会において、お金との付き合い方も人それぞれです。

決済をキャッシュレス化する人が増える(経済産業省調べ)一方で、現金決済も根強い人気があります。また、スマホアプリを用いた後払い決済やポイントサイトの活用など、お金が足りない場面においても選択肢が広がっています。

現金化ジャーナル(https://anshincredit.net/media/)では20代から60代までの男女を対象にしたアンケートから、現金派とキャッシュレス派の割合や動向を分析しました。

現金が必要になった経験やその際の切り抜け方を通して、決済手段の選択がお金に対する価値観にどのような影響を及ぼしているかを読み解きます。

調査結果の要約

  • 約55%がキャッシュレス派と回答
  • キャッシュレス派の約59%が3年以内に移行した
  • キャッシュレス派は「ポイントが貯まる」ことを重視している
  • 現金派は「確実性」と「慣れ・好み」を重視している
  • 現金派とキャッシュレス派の間で、現金が必要になった際の対応や試したい現金化手法に差がある
この記事の監修者
株式会社FP-MYS 代表取締役 工藤 崇
工藤 崇

株式会社FP-MYS 代表取締役。1982年北海道生まれ。相続×Fintechサービス「レタプラ」開発・運営。IFAとしての個別相談多数。上場企業の多数の執筆・セミナー講師の実績を有する独立型ファイナンシャルプランナー(FP)。

目次

コロナ禍で加速する決済のキャッシュレス化

現金派は少数派に?キャッシュレス派が55%超で逆転

日常生活でキャッシュレス決済を好む人が55%を超え、現金を好む人は約28%に留まります。キャッシュレス派は、特に「ポイントが貯まるから」という理由を挙げる場合が多く、利便性や報酬の面からキャッシュレス決済を選んでいることが明らかになりました。

キャッシュレス派は特に「クレジットカード」をメインに使用しており、その割合は約56%に上ります。店舗側の導入が容易なことから飲食店等を中心に利用が拡大しているPayPayやLINEPayなどのQR決済アプリが約37%で続いています。

約44%が3年前からキャッシュレス派に移行

近年キャッシュレス決済への移行が加速している傾向は明らかで、3年前からキャッシュレスメインに切り替えた人が約44%に上ります。直近1年以内と回答した数を合わせると、半数以上の約59%が3年以内にキャッシュレスへ移行したことがわかります。

現金利用シーン減少が後押し?

キャッシュレスに移行した方が多かった3年前は、コロナ禍が本格化してきたタイミングと一致します。

外出規制や衛生意識の高まり、フードデリバリーの活況などにより現金利用のシーンが減少したことが、キャッシュレスへの移行を後押しした要因として考えられます。

日常の支払いでキャッシュレスを選ぶ人が増えてきていたなか、こうした世相により現金の利用機会がさらに減少したことで、これまで現金支払いをベースとしていた店舗でもキャッシュレス化が加速したようです。

キャッシュレス派の意見

さえさん

お金を触る必要がなくなるため清潔なままでいられるのと、支払い時に迅速に支払うことができる手軽さにメリットを感じたためクレジットカード決済をメインにした。

まさしさん

使用開始当時はポイント還元が多くもらえたからQR決済をメインにした。
現在は、使い慣れていて便利だからメインにしている。
属しているコミュニティによっても使い分けている。

まりあさん

ソフトバンクユーザーなのでPayPayが貯まりやすく、
いつの間にかPayPayを自然に使うようになっていました。
他のキャリアだったら別の方法を選んでいたかもしれません。

けんたさん

決済の時間が他の決済に比べて処理スピードが早いので
ストレスがなくメインにしました。
現金を出すのも手間ですし。

ゆうじさん

いちいちお金をモタモタ出さなくて良いし、
重たい財布を持ち歩くことなく、
手持ちを気にすることなく買い物できるのがスマートで便利だと思ったから。

現金派の意見

さえさん

キャシュレスへの移行:したくない
収入もあまりないのにキャッシュレスでどんどん購入して、
支払い時に分割などを繰り返して困りたくないので
基本現金払いをするようにしています。

まさしさん

キャシュレスへの移行:したくない
どうしても自分の所持金を覚えておきたいと思い、すべてをキャッシュレスにすると自分の蓄えがどれくらいか忘れてしまうと心配になる。しかしコンビニなどで小さな買い物をする場合は圧倒的にキャッシュレスが便利なため併用したいと思う。

まりあさん

キャシュレスへの移行:したくない
キャッシュレスは便利で使い勝手がいい分、節制や倹約には向かないし、障害が出た時には現金が一番だから。

けんたさん

キャシュレスへの移行:したくない
お札や硬貨そのものが好きで、お札や硬貨で支払うことに喜びを感じるので。

ゆうじさん

キャシュレスへの移行:したい
これからキャッシュレスの店舗が増えそうだしキャッシュレスのみの店舗があった場合困るので。

現金派とキャッシュレス派の金策に対する傾向分析

上記は現金が必要になった時の乗り切り方に対する全体の回答です。

ここからは、現金派とキャッシュレス派ごとに傾向を分析します。

現金派の傾向

現金が必要になった時の乗り越え方

現金を好むグループでは、現金が必要になった際に家族や友人から借りるという選択をした人が最も多い傾向にありました。全体の約30%を占め、副業や単発バイトが続いています。

今後試したい現金化手法

現金派の人々は、将来的に現金が必要になった場合に試したい手法としても家族や友人から借りることを最も多く挙げています。これは現金派の方がお金のやり取りにおいて直接的な人間関係を重視していることを示唆しています。

キャッシュレス派の傾向

現金が必要になった時の乗り越え方

キャッシュレスを好む人々も、現金が必要になった際には家族や友人から借りることが最も多い選択肢の一つであり、全体的な傾向と一致しています。

しかし、キャッシュレス派の中には、クレジットカード現金化や後払いアプリ現金化などの方法を選ぶ人が多く見受けられ、このグループがより多様な資金調達方法に関心を持っていることがわかりました。

今後試したい現金化手法

キャッシュレス派は将来的に現金が必要になった場合、家族や友人から借りることに加え、副業や単発バイト、ポイントサイトの利用など、より多様な手段を試す意向を示しています。

現金の調達方法と同様に、キャッシュレス派が金融サービスに柔軟な姿勢を持ち、多様な資金調達手段に興味があることを示しています。

総括

キャッシュ派とキャッシュレス派の間で、現金が必要になった際の対応策や将来試したい手法に明らかな違いがあります。

キャッシュレス派はよりテクノロジーを活用した多様な資金調達方法に開かれているのに対し、現金派は伝統的な方法、特に人間関係を通じた資金調達を好む傾向にあります。

この分析から、支払い方法の好みが人々の金融行動や危機管理手法に影響を与えていることが明らかになります。

約4割の人が20代に現金不足を経験している

20代で「現金が足りない」経験をした人は約45%

アンケートによると、20代で現金不足を経験した人は約45%に達しています。特にこの年代は社会人としてのスタート期にあたり、初期のキャリア形成や生活基盤の構築に伴う経済的な負担が大きいことが窺えます。

必要金額は5万円以下が60%以上

現金が必要になった際の必要金額を見ると「5万円以上10万円未満」が最も多く約33%、「1万円以上5万円未満」が約31%で、合わせて約64%が10万円未満の金額を必要としていたことがわかります。

比較的小さな金額で急な出費を賄いたい場合が多いことを示しており、日々の生活費や突発的な出費が主な理由と考えられます。

現金が必要になった時の対応策

経験者、関心者ともにクレジットカード現金化が上位

現金が必要な時、全体の12%がクレジットカード現金化を「利用したことがある」、19%が「利用したい」と回答しています。これは現金が必要になった時の対処法として家族や友人に借りた(118回)、カードローン、副業や単発バイト(各47回)に次いで多く利用されています。

後払いアプリ現金化・ギフト券現金化に注目

利用経験のある現金化手法と今後試したい現金化手法の回答数の比率をもとに、将来的な関心の高い項目を相対的に評価したところ、次のような結果になりました。

  • 質屋で借入: 2.5 ← 最も高い関心度
  • 公的融資等の活用: 2.25 ← 高い関心度
  • ギフト券現金化: 1.83 ← 高い関心度
  • 後払いアプリ現金化: 0.53 ← 中程度の関心度
  • クレジットカード現金化: 0.53 ← 中程度の関心度

(今後試したい現金化手法への回答数/利用経験のある現金化手法への回答数×100≒関心度)

この結果から、急に現金が必要になった際の解決方法として、後払いアプリやギフト券を現金化する方法の関心度が認知度に対して高いことがわかります。

これらの手段は素早く簡単に資金を調達できる方法として注目されており、特に短期間での資金ニーズに対応するのに役立っています。比較的新しい手法であるため実利用の経験がある方が少なく、具体的な利用方法などの情報を得にくいことがこの結果に寄与していると考えられます。

キャッシュレス派は現金化時も利便性を重視

決済手段を選ぶ際、キャッシュレス派と現金派どちらも「手数料」を最重視しています。

現金派はキャッシュレス派に比べて「対応金額」を重視しており、現金化の結果として得られる金額への期待値が高いことが窺えます。

現金派が重視する主な要素

  • 手数料: 約43%
  • 対応金額: 約22%
  • 所要時間: 約21%

一方で、キャッシュレス派は「操作の簡単さ」を比較的重要視しており、これはキャッシュレス派が日常的にデジタル決済の利便性に慣れ親しんでいることが背景にあると考えられます。

キャッシュレス派が重視する主な要素

  • 手数料: 約44%
  • 対応金額: 約17% ← 現金派に比べて若干低い。
  • 所要時間: 約17%
  • 操作の簡単さ: 約11% ← 現金派に比べて高い。キャッシュレス派特有の視点

キャッシュレス派と現金派が現金化する際に異なる価値観を持っていることがわかります。

MEMO

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現金化ジャーナル「5割超がキャッシュレス移行済み!決済手段の利用実態と現金の意外な必要性が判明」

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この記事を書いた人

金融機関と現金化業者での実務経験を生かし、当サイトのコンテンツ監修を担当。クレジットカード現金化、ギフト券現金化、後払いアプリ現金化など一見複雑な現金化業者の仕組みを、正しくわかりやすくお伝えることがモットーです。

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