SDGsと金融機関|地方銀行のESG金融への取り組み事例

SDGsと金融機関|地方銀行のESG金融への取り組み事例

持続可能な開発目標(SDGs)は、世界中で重要な課題となっています。金融機関も例外ではなく、SDGsやESG(環境・社会・ガバナンス)金融への取り組みが進んでいます。

本記事では、ファクタリング即日を提供する事業会社等がSDGsにどのように貢献しているのか、また、金融機関がSDGsやESG金融に取り組むメリットや、具体的なアプローチ方法、評価基準についても詳しく解説。

また、実際の地方銀行のESG金融への取り組み事例や、金融機関が取り組むべき対策ポイントも紹介します。

SDGsと金融機関|地方銀行のESG金融への取り組み事例をまとめると
  • 金融サービスは経済活動を支える基盤であり、SDGsを推進する上で不可欠な存在
  • SDGsに取り組む金融機関の割合は2023年度時点で83.1%
  • SDGsを達成するには、SDGsやESG金融の概念と重要性へ理解が大切
この記事の監修者
マネレボ株式会社代表 大久保美伽
大久保 美伽

元銀行員 大手金融機関勤務歴14年。2019年末退職。 2020年~真に中立な立場で資産運用と保険、家計の見直しを行いお金と時間から自由になり自分らしく生きる女性を増やすべくFPとして独立。多くのお客様の資産運用やライフプランニングの悩みを解決すべく尽力している。

目次

SDGsに取り組む金融機関の割合は年々増加!

SDGsに取り組む金融機関の割合は年々増加!

金融機関もSDGsの達成に向けて取り組むべき重要な存在です。SDGsに取り組む金融機関の割合は年々増加しており、2023年度時点の取り組み比率は83.1%に。自社の経営にSDGsの理念を取り入れる動きが広がっています。

SDGsに取り組むメリットが理解され、金融機関がイニシアチブを取ることで、SDGsの達成に向けた機運が高まっています。

参照:2023年度「金融機関などの地方創生への取り組み状況に係るモニタリング調査結果」を公表(内閣官房) – 日本商工会議所

SDGsにおいて金融機関の役割とはいったい何か?

SDGsにおいて金融機関の役割とはいったい何か?

では、そもそもSDGsにおける金融機関の役割とは何があるのでしょうか?

SDGsにおける金融機関の役割
  • 経済活動を支える金融サービスを提供する
  • 環境、社会、ガバナンスに配慮した投融資活動を行う

SDGsとは環境・社会に配慮した取り組み

SDGsのロゴ

SDGsとは、2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標」のことです。

環境や社会に配慮した取り組みを推進するための目標で、17の目標と169のターゲットから構成されており、貧困の撲滅、質の高い教育の提供、気候変動への対応など、幅広い分野での取り組みが求められています。

これらの目標を2030年までに達成することで、環境と社会、経済の調和がとれた持続可能な社会の実現を目指しています。

参照:2030アジェンダ | 国連広報センター

金融機関は、これらの目標に対して積極的に取り組むことで、社会全体の持続可能な発展に貢献しているわけです。

SDGsに金融サービスは不可欠

SDGsの達成には、社会を支える金融サービスが重要な役割を果たします。

企業活動に必要な資金の供給や、環境に配慮した投資など、金融機関がさまざまな形でSDGsに貢献できます。

金融サービスは経済活動を支える基盤であり、SDGsを推進する上で不可欠な存在なのです。

ESG金融とは環境に配慮した企業への投融資

ESG金融とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)に配慮した投融資活動のことです。

企業の環境への取り組みを評価し、ESG要素を考慮して投資対象を選定します。ESG金融を通じて、金融機関は環境に配慮した企業を支援することができ、SDGsの達成に寄与できるのです。

金融機関はSDGsの達成に重要な役割を果たしています。主に銀行は環境にやさしいプロジェクトや持続可能な事業に資金を提供し、地球環境の保護に貢献しています。金融機関は、持続可能な未来を築くために欠かせない存在です。

金融機関がSDGsやESG金融に取り組む5つのメリット

金融機関がSDGsやESG金融に取り組む5つのメリット

金融機関がSDGsやESG金融に取り組むメリット

  • 企業へのイメージが良くなる
  • 社会や地域への課題解決に貢献できる
  • 新たなビジネスへの創出につながる
  • コスト削減が可能になる
  • 持続的な事業戦略になる

ここからは、金融機関がSDGsやESG金融に取り組むメリットを5つ紹介します。

企業へのイメージが良くなる

金融機関がSDGsやESG金融に取り組むことで、環境や社会に配慮した企業であるというイメージが高まります

社会的責任を果たす企業として評価され、お客様からの信頼を得やすくなるのがメリットです。

社会や地域への課題解決に貢献できる

SDGsやESG金融は、環境問題や貧困、教育格差など、社会が抱える様々な課題の解決につながります。

金融機関が適切な投融資を行うことで、社会や地域の持続可能な発展を後押しできます。金融機関は、経済的な側面から社会課題の解決に貢献する重要な役割を担う存在です。

新たなビジネスへの創出につながる

ESG金融を通じて、環境分野の新規ビジネスが生まれる可能性があります。

再生可能エネルギーや省エネ製品など、環境に配慮した製品やサービスへの投資需要が高まれば、その分野の新しいビジネスが生み出されるでしょう。

金融機関はESG金融で新たな収益源を得られ、持続的な成長を実現することができます。

コスト削減が可能になる

SDGsやESG金融に取り組むことで、コスト削減が可能になります。環境に配慮した取り組みを行うことで、エネルギーコストや廃棄物処理コストの削減が期待できるでしょう。

例えば、再生可能エネルギーの導入や、資源のリサイクルを推進することで、長期的なコスト削減が実現します。また、環境に配慮した経営を行うことで、規制対応コストの低減も可能です。

持続的な事業戦略になる

SDGsやESG金融への取り組みは、単なる一過性のものではありません。社会の持続可能性を追求する長期的な事業戦略として位置付けられます。

金融機関は時代に合わせてESG要素を経営に取り入れ、持続可能な企業を目指すことが重要です。

長期的視点に立てば、事業の安定性が高まるでしょう。

金融機関がSDGsに取り組むメリットは多岐にわたります。まず、持続可能な投資や融資により、長期的な収益性と企業価値の向上につながります。また、環境や社会に配慮した活動が評価されることで、顧客からの信頼と支持を得られます。さらに、SDGsへの貢献が企業のブランドイメージを向上させ、競争優位性を高める要因にもなり、結果長期的な事業の安定につながるのです。

地域の金融機関によるESG金融実施のアプローチ方法

地域の金融機関によるESG金融実施のアプローチ方法

地域の金融機関によるESG金融実施のアプローチ方法を解説していきます。

地域の金融機関によるESG金融実施のアプローチ方法
  • 案件組成
  • 基準から評価
  • モニタリング

今回は、環境省がESG地域金融の普及に向けて提唱する支援内容をベースに紹介していきます。

参考:事例から学ぶESG地域金融のあり方

案件組成

まず案件組成の段階で、ESGの視点を入れることが重要です。例えば、環境に配慮した事業への融資や、再生可能エネルギー関連の投資案件を立ち上げるなどです。

地域の課題に合わせてESG要素を取り入れた商品・サービスを提供することが求められます。

基準から評価する

次に、ESGの基準に基づいて投融資先を評価することが欠かせません。

金融機関は独自の評価基準を設け、環境負荷やコーポレートガバナンスなどをスコア化して総合評価します。基準を満たす企業にのみ融資や投資を行うことで、ESG金融を実践できるのです。

モニタリング

投融資後も、継続的なモニタリングが必要不可欠です。

投資先企業のESG課題への取り組み状況を定期的に確認し、必要に応じて是正勧告を行います。金融機関は投資家として企業に働きかけ、ESG経営の実践を促すことで、将来のキャッシュ・フローの改善につながります。

SDGsに貢献するESG金融の評価基準とは?7つの投資基準

SDGsに貢献するESG金融の評価基準とは?7つの投資基準

ESG金融には、企業の持続可能性を多角的に評価する複数の基準があります。金融機関はこれらの基準を組み合わせて投資対象を選定しています。

評価指標は法令などに定められた基準がないため、代表的な7つの投資基準をみていきましょう。

ESG金融の評価基準
  • 財務情報を総合的に判断
  • ESG基準を満たさない投資対象を排除
  • ESGの課題で評価の高い企業を選んで投資
  • 人権課題などにおいて国際基準に達していない企業を除く
  • 社会や環境問題に関連したテーマに投資
  • 地域社会や環境にインパクトを生み出す投資
  • 企業へESG経営を促す投資

①財務情報を総合的に判断する「ESGインテグレーション」

ESGインテグレーションでは、従来の財務情報に加えてESG要素も考慮に入れて、投資判断を行います。

企業の環境対策や人権尊重、ガバナンス体制など非財務情報を分析し、リスクと機会を総合的に判断します。

ESG要因が企業価値に与える影響を見極めることが重要です。

②ESG基準を満たさない投資対象を排除する「ネガティブスクリーニング」

ネガティブスクリーニングでは、あらかじめ定めたESG基準を満たさない企業を投資対象から除外します。

例えば、化石燃料関連企業や武器製造企業、人権侵害の問題がある企業などがスクリーニングの対象となります。

一定のESG水準を下回る企業への投資を回避するための基準となっています。

③ESGの課題で評価の高い企業を選び投資する「ポジティブスクリーニング」

ポジティブスクリーニングは、ESG課題に対する取り組みが優れた企業を選別し、重点的に投資を行う手法です。環境保護や労働環境の改善、ガバナンス強化に熱心な企業が選ばれます。

ESGの観点で質の高い企業への投資を行うことで、持続可能な社会の実現をサポートします。

④人権課題などにおいて国際基準に達していない企業を除く「国際規範スクリーニング」

国際規範スクリーニングは、国連の「世界人権宣言」などの国際規範に違反している企業を投資対象から排除する方法です。

児童労働や強制労働、重大な環境破壊など、人権や環境に関する国際的なルールを守っていない企業は除外されます。

⑤社会や環境問題に関連したテーマに投資をする「サステナビリティテーマ投資」

サステナビリティテーマ投資は、社会や環境にプラスの影響を与える分野やテーマに特化して投資を行います。

再生可能エネルギー関連、クリーンテクノロジー、医療・バイオ、教育サービスなど、持続可能な社会に資する事業分野が投資対象となります。

⑥地域社会や環境にインパクトを生み出す投資「インパクトコミュニティ投資」

インパクトコミュニティ投資は、投資を通じて、地域社会や環境に具体的なプラスの変化(インパクト)を生み出すことを目指します。

例えばベンチャー企業への支援や、再生可能エネルギー発電所への出資など、社会課題の解決につながる事業に投資することで、地域社会の持続可能な発展を支援します。

⑦企業へESG経営を促す投資「企業エンゲージメント」

企業エンゲージメントは、投資家が対話を通じて企業のESG経営を促進する取り組みです。

株主総会での建設的な議案提出や、経営陣との対話など、アクティビストとしての活動を行います。企業に対してESGへの取り組みを促し、企業価値の向上や社会との調和を目指します。

信用金庫など地方銀行のESG金融への取り組み事例

信用金庫など地方銀行のESG金融への取り組み事例

信用金庫など、地方銀行におけるESG金融への具体的な取り組み事例を3つ紹介します。

【滋賀銀行】地域における個人分野での脱炭素化の進展に寄与

伊藤環境大臣(右)とトロフィーを持つ久保田頭取(左)

滋賀銀行は、環境省が主催する「第5回ESGファイナンス・アワード・ジャパン(※1)」の間接金融部門において、「銀賞(環境大臣賞)」を受賞しました。

地域における脱炭素化の取り組みを支援しており、「スーパー住宅ローン 未来よし」の販売により、地域の工務店等に好影響を与えたことが評価されました。

また、中小企業向けのファイナンス・フレームワーク作成やCO2排出量算出・管理サービスの開発など、新規性のある取り組みを行いながら、従来の環境配慮活動も高いレベルで維持していることが認められています。

参照:第5回ESGファイナンス・アワード・ジャパンで「銀賞(環境大臣賞)」を受賞 | ニュースリリース | 滋賀銀行

【名古屋銀行】リサイクル政策の強化で廃棄物の削減

名古屋銀行では、「めいぎんSDGs宣言」に基づき、サステナブルファイナンスやコンサルティングで脱炭素社会への移行を支援しています。

また、ESG投融資方針の策定、専門部署の新設により、銀行グループ一体の推進体制を整備。加えて気候変動リスクと機会の特定も行い、持続可能な地域社会の実現に向けて積極的に取り組んでいます。

参照:気候変動への取組み |名古屋銀行について|名古屋銀行

【北洋銀行】小型衛星やスマホ・ドローンなどのIT技術を活用した農業支援

北洋銀行は、北海道地域の持続可能な発展、つまり”地域のサステナビリティ実現”に貢献しようと、本業支援としてファイナンスやソリューションを提供することで、企業のサステナビリティ経営(環境・社会・ガバナンスに配慮した経営)の実現をサポートしています。

例えば、小型衛星、スマートフォン、ドローンなどの先端技術を活用し、人口の増加に伴う食糧不足問題などの社会課題に対する解決策を提供する農業を支援しています。

参照:
北洋銀行のESG地域金融の取り組み
事例から学ぶESG地域金融のあり方

SDGsとESG金融の取り組みで金融機関がすべき3つの対策ポイント

SDGsとESG金融の取り組みで金融機関がすべき3つの対策ポイント

SDGsとESG金融の取り組みにおいて、金融機関がすべき3つの対策ポイントを解説していきます。

金融機関がすべき3つの対策ポイント
  • SDGs/ESG金融への認知と理解
  • ESG金融の実践に向けた体制整備
  • 地域ステークホルダーとの情報交換

SDGs/ESG金融への認知と理解

まず金融機関は、SDGsやESG金融の概念と重要性を正しく認知し理解することが不可欠です。

SDGs達成への貢献が、金融機関の社会的責任であり、ESG金融はその実践の手段であることを認識する必要があります。

経営陣から現場までが、SDGsとESG金融の意義を十分に理解していなければなりません。

ESG金融の実践に向けた体制整備

次に、ESG金融を実践するための体制づくりが欠かせません。経営方針にESG要素を取り入れ、専門部署を設置するなど、ESG金融に特化した体制を整備することが重要です。

また、ESG金融に係る人材の育成にも注力する必要があります。社内研修の実施や専門家の起用などにより、ESG金融の知見を深める必要があります。

地域ステークホルダーとの情報交換

ESG金融を推進するには、地域の企業や自治体、NPO団体などのステークホルダーと密に連携することが不可欠です。

地域課題を共有し、ESG金融でどのような貢献ができるかを協議する場を設けましょう。

ステークホルダーのニーズを把握し、地域に則した金融サービスを提供することが求められます。

金融機関がSDGsとESG金融に取り組むための対策として、持続可能な投資方針を確立し、環境・社会・ガバナンス(ESG)基準を融資と投資の決定プロセスに組み込むことが大切です。また、透明性の向上を図り、定期的なESG報告を行う体制を整備することも求められます。これにより長期的な取り組みが可能になり、投資家や顧客からの信頼を得ることができます。

金融機関とSDGsに関するよくある質問

金融機関とSDGsに関するよくある質問

最後に、金融機関とSDGsに関するよくある質問を紹介します。

Q1. SDGsはどの省が担当していますか?

SDGsは特定の省庁が所管するものではありません。全ての政府機関や自治体、企業、NGO、個人が関わる横断的な取り組みです。

内閣府に設置されたSDGs推進本部が中心となって進捗管理や関係省庁の連携を図っていますが、SDGsの達成には国を挙げての取り組みが不可欠とされています。

Q2. SDGsに必要な資金は?

SDGsの達成には毎年5~7兆米ドルの投資を要するとされています。一方、発展途上国への投資は、1年当たり約2.5兆ドル不足していると言われています。

参照:事例から学ぶESG地域金融のあり方 – 環境省

Q3. SDGs検定やESG金融の検定試験の難易度は?

SDGsやESG金融の知識を問う検定試験もいくつか存在します。その難易度は検定によって異なりますが、概ね社会人向けの中程度の難しさとなっています。

専門用語の理解が要求されますが、基本的な概念さえ理解していれば、十分に対応可能な難易度と言えるでしょう。

まとめ:金融機関のESG金融の取り組みはSDGsの理解から!

金融機関のESG金融の取り組みはSDGsの理解から!

SDGsの達成に向けて、金融機関によるESG金融への取り組みが欠かせません。地域社会の持続可能性を実現するために、金融機関はESG要素を経営に取り入れる必要があります。

そのためには、SDGsやESG金融の概念と重要性を十分に理解することが大切な第一歩です。金融機関一丸となって、社会課題の解決に向けた行動を起こしていきましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次